茨城県での高校生によるストライキが話題になっています。
県立日立一高の3年生約80人が、県内全ての県立高の休校などを求めて立ち上がりましたね…!
勇気ある行動に称賛の声が相次いでいるため、ネット上の声なども合わせて見ていきましょう。
休校を求める日立一高のストライキ全文
県内の高校の休校を求めた、日立一高のストライキが話題になっています。
以下のように画像でも出回っていますが、少し読みにくいので全文を見ていきましょう。
⚠️茨城県立・高等学校スト決行⚠️
新型コロナウイルスの驚異が忍び寄る中、未だ強気な対応を渋る茨城県に対し遂に有志生徒がストライキを決行するとの通告‼️
今命を守るため行動している子供達‼️
どうか知って、広めて、目を向けて‼️#新型コロナウイルス #ストライキ #大井川和彦 #拡散希望 pic.twitter.com/4FUzbECJc8— Yūki (@MeMerry_16) April 8, 2020
1、ストライキに踏み切る必要性が生まれた背景
4月6日現在、茨城県内でのCOVID-19感染症(以下、コロナウイルスとする)の感染者は71名である。県内最初の症例が確認されたからわずか半月ほどでここまで感染者数が膨れ上がった。大井川和彦茨城県知事は記者会見などの場において、「ほとんどが特定のクラスターからの感染であるため街中での感染拡大のリスクは低い」と述べ、学校の休校措置を取りやめ、県立学校を新学期から通常通り再開した(一部地域除く)。しかし、近日では感染者が県北地域を含む県内の広範囲で発生している上、感染経路が不明な症例も複数確認されている。この新型コロナウイルスは一度感染が拡大すると終息には長い時間がかかる特性があることや潜伏期間が各々によって大きく変化することを踏まえると、早い段階での感染拡大防止措置を講じることが極めて重要であると考える。これまで、県内の多くの高校生が署名活動などを通して、何度も茨城県に休校の延長を理由・根拠ともに呼びかけてきたが、直接的な返答はなく、要望したような対処を得ることもできなかった。急速に拡大するコロナウイルスの驚異から学校現場に関わるすべてを守ることは明らかに緊急性を要しており、この度異例ではあるが、以下の目的と要求のもとストライキを決行することとした。
2、ストライキの規模:三年次有志x名程度(現在検討中の者もおり、変動する可能性有)
3、ストライキの期間:4月8日から4月10日(各日の状況を見て、期間の延長等を行う)
4、ストライキの目的:大きく分けて3つある。
①感染予防の観点
当該新型コロナウイルスは正体が未だ明らかにされておらず、ワクチンや予防薬の実用化も進んでいないため、インフルエンザ等の感染症と比べて効果的な治療が行われづらい。日本国内では若年層は感染しても重症化しない、という考えがあるものの、海外では若年層の感染が多く報告され、若年層への感染も十分にあり得る病原体である。また、生徒の多くは、祖父母などの重症化リスクの高い高齢者と同居しており、家族間での感染拡大も十分に考えられる。現状、県内多くの企業がテレワークなどの対応を取っているのにも関わらず、学校を再開することは感染予防を目指す社会の流れに逆行している。県北地域での感染者は、4月7日現在で常陸太田市における4症例である(自宅待機者は15名)。しかしながら、本校生徒は南は水戸、北は北茨城と非常に広範囲の地域から公共交通機関を利用して通学していることを考慮すれば、各地域での感染流行が容易に拡大するリスクがある。これらのリスクは時差登校などでは対応できないと考える。最後に茨城県が休校延長措置を打ち切ると判断した際から、全国で日に日に状況は変化している。一例として、東京都をはじめとする7都府県では8日に緊急事態宣言が発令される。小池百合子東京都知事は4月6日の会見で、都内在住者が地方への性急な帰省を控えるように述べたが、常陸太田での第一感染者が都内からの帰省者であることなどを艦みると、今後帰省者数は急増すると推測できる。
②茨城県の本事例に対する向き合い方に関する観点
大井川知事は会見で「100%の感染予防のために全ての学校活動を停止することは合理的ではない」という旨の発言をされた。私たちは、県知事という立場において、人の命がかかっている以上、不可能であっても100%の感染予防を目指すべきであると考えている。また、これまで学校現場における感染対策について具体的な指針は県教育委員会によって提示されておらず、学校現場において生徒や教員が感染防止のための実践的な措置を講じることができていない。そのような危機的な事態に対し、休校延長を求め多くの県内生徒が県教委への電話や署名活動(4月7日正午時点で4170名が署名)を通して請願したのにも関わらず、残念ながら直接の返事や求めていた対応を得ることはできなかった。この影響は現在のみならず、将来の学生にも重要であると考える。事実、近年大きく変動する社会の状況を艦みると、このコロナウイルスのような不測のケースが再び発生する可能性は十分にあり、その度に県の対応が再び混乱をまねく可能性が大いにある。これは今すぐに防がなくてはならないことであると強く感じており、私たち県内生徒の声やコロナウイルスの現状により深く向き合っていただくためには、熟考した結果、ストライキを起こすほかないと考えた。このストライキによって混乱が発生することは一同十分に承知をしている。しかし、この一時の混乱か、将来に再び同じ混乱が発生させるかを考えた時、ただちに対策を練ることが優先されるべきであると考えた。
③教育的観点
・現在、県内10市町村にある県立学校は5月6日まで休校をすると決定した。現在の県南でのコロナウイルスの状況を見ると必要な措置であるが、県内において対応が別れるのは教育上好ましくないと考える。休校措置を行うことで、カリキュラム等に大幅な変更が生じる。事実上の教育格差が県内で生じるべきでないと考えている。また、補填として導入が検討されるであろうICT教育等についても、県下一斉に休校する方が、県教委としても柔軟に対応できると考えられる。
・日本の学校において、ストライキなどの学生運動はこれまであまり行われてこなかった。実際、本校生徒には新型コロナウイルスに対する危機感を感じている者も多く存在するものの、ほとんどの生徒はそのように感じていたとしても、登校しなければいけないと考え登校する。実際、3月に行われた臨時の課外授業においても、ほとんどの生徒が登校していたが、危機感を強く感じている中無理矢理登校したと話す生徒も多かった。授業進度などの都合上、例え自主休校の選択肢があるとしても生徒は登校する可能性が非常に高く、登校することにより自身の健康に大きなリスクを背負うことになる。今回、ストライキを決行することで、感染予防に直接の関係がないファクターを取り除くことができ、生徒各々が完全な形で感染予防に取り組むことができると考えている。
5、上記目的を踏まえた上での、本ストライキにおける私たち生徒の茨城県に対する要求
①消毒用アルコールやマスク等の十分な予防用の物資の確保ができるようになり、学校内での感染拡大が予防できると言えるまで県下全ての学校を臨時休校とすること。そして休校期間中、生徒の学習が支障なく円滑に行われるよう、オンラインのシステムなどを活用し補填がしっかりと行える仕組みを構築すること。
②今回の事例を含め、今後似たような状況が発生した際、生徒が円滑に対応できるよう、具体的かつ、実践的な教育現場におけるガイドラインの早急な策定。
最後に、本件は県、県教委、学校関係者からしても非常に難しい判断であり、簡単に進められる話ではないということは全員が十分に承知している。授業、試験、部活などすべて重要なものであると理解し、生徒としても学校、そして県が下す判断を尊重するが、新型コロナウイルスが蔓延し、多くの生徒が不安を抱えた状態で学校活動が継続される場合、その決断によって身体的にも精神的にも多くの人が危機に身を晒されることとなる。実際に多くの保護者も私たちを学校に通わせることに不安を感じており、我々生徒としても、自身が感染しても問題ないとしても、重症化する可能性の高い祖父母や持病を持った家族などにウイルスを感染させてしまうことに大きな恐怖を感じている。このような実態を解決することは明らかに緊急性を要しており、私たち生徒本人やその家族、友人、そして教職員が死のリスクを伴うコロナウイルスに感染しないよう、ベストな判断・最大限の対策を迅速に行なっていただきたい。留意していただきたいのは、このストライキは単に現状での臨時休校のみを請願するものではないということである。今後も発生するであろう、このような不測の事態において、県民の声や状況にしっかりと向き合っていただき、そして具体的に、どのように対処すべきかを将来の学生および県民のために策定していただきたいという目的も大きい。今回、事実として生じてしまった混乱を再び起こさない為の行動を取るのは今しかないと私たちは強く考えている。
備考:
・本ストライキは4月6日に行われた大井川知事による会見において、「新型コロナウイルス感染症予防のために登校しない場合でも、欠席扱いとしない」と明言された生徒の権利に基づいて行われるものである。
・人数の関係上、ストライキ期間中は学校への個人の欠席連絡は行わない。
・ストライキ期間中、代表者は面会・電話等を通じて、県および学校と交渉を行う。その他生徒は自宅学習とし、課題等に取り組むこととする。
以上
日立一高のストライキにネット上の反応は?
茨城県の日立一高のストライキが話題になっていますが、ネット上のリアルな反応も見ていきましょう。
日立一高のストライキ…すごい。
高校生があそこまで言える、書けるのに、
大人はなにやってんですか。— chiaking+ (@chiaking) April 10, 2020
日立一高3年生一同すごいな。歴史に残るね
— kanabunnbunn (@shinapple) April 10, 2020
日立一高生がコロナで休校を求めてストライキ起こした。
大人が頼りないから自ら動く。
支持したいいね👍
— buccha (@buccha_hitc) April 9, 2020
日立一高って、茨城県内でも一二を争う進学校だったはず、これからを担う高校生の方がよほどしっかりしてるよ。
— ムッツローニ ラジオ垢 (@Radio1008asahi) April 10, 2020
やはり新型コロナウイルスの影響がある中で、無理をして学校へ行くことの恐怖は計り知れません。
日立一高のストライキに対し、大井川知事がどのような対応をするのかにも注目が集まりますね。
参考:北海道知事に休校延長を求める声が殺到!会見でスルーしたのはなぜ?